「フードバンク」って知ってる?
映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』で、最貧困に陥っているシングルマザーがフードバンクに到着するや否や、その場で缶詰を開け、涙しながらむさぼるように食べ始めるシーンがあった。
彼女は、ろくな食べ物を子どもに与えてあげられないばかりか、彼女自身はずっと空腹をこらえ続けていたのだ。
このシーンがあまりにも衝撃的であったことと、実際これが他人事でもなく、わたしにも降りかかるかもしれないと考えるとゾッとしたし、同時に涙があふれてきた。
十分な食べ物があるだけで、人は生きる喜びを感じ、前向きに生きていく原動力を得られることを再確認した。
一人でも多くのひとり親家庭にフードバンクの存在を知ってもらいたいと思い、この記事をまとめました。
フードバンクとは、簡単に言うと「タダで食べ物がもらえる場所」です。
食べ盛り、育ち盛りの子どもがいたら、毎月の食費は相当なものですよね。
国からの手当ては欠かさず受け取っていても、食品までもらえるなんて、聞いたことがない、そういうママも多いはず。そう、役所ではフードバンクについて説明してくれないからです。
でも、もしあなたがお金が無いせいで無理に食費を削ったり、欲しくても買えないという状況であるならば、フードバンクを利用してみる価値は大いにありそうですよ。
「フードバンク」ってなに?
フードバンクとは、「食料銀行」の意味。
まだ食べられるのに、捨てられてしまう食品を、食べものが無くて困っている人たちに届けてくれる活動およびそれを行う団体のことです。
フードバンクは「食品ロス」(食べられるのに捨てられるごみ問題)と「貧困層の救済」(食べたくても食べられない)という2つの社会問題を解決する目的にあります。
- 賞味期限が近付いている食品
- 賞味期限が切れた食品
- 規格外の食品
- 箱潰れなどでお店に並べることができない食品
母子家庭がフードバンクを利用すべき理由
”相対的貧困にある世帯の子どもたちは一日のうちまともな食事が給食だけ”
出典:『餓えている子供がいるのに無駄に廃棄される「恵方巻」。「食品ロス」をなくせ』(2020/02/03 ハーバー・ビジネス・オンライン)<文/志葉玲>
「栄養」よりも「お金」が優先されてしまう
収入が少なければ、真っ先に削るのは食費です。家賃はすぐに削れなくても、食費は我慢すれば月に数千円から1万円以上を削ることができるからです。
でも、食費を無理に削ってしまった結果、ママと子どもが不健康になってしまうと、もっと悪循環に陥ってしまいかねません。
「お金が無い」と諦めたり我慢していたことも、フードバンクを利用することでできるようになるかもしれませんよ。
- 毎月の食費を節約できる
- おなかいっぱい食べられる
- 普段食べないものも食べられる
- 満足・笑顔になる
- 心もカラダも元気になる
受け取りの条件は?
どんなものを受け取れるの?
おもに米や缶詰、加工食品などです。
提供される食品は、地域のスーパーや飲食店などの企業、農家、個人から寄付された食料品です。
- 米・パン
- 缶詰、加工食品
- 野菜、果物、生鮮食品
- 冷凍食品
- レトルト食品
- 調味料
- お菓子
- 防災備蓄庫品
団体により、提供しているものが異なりますが、場所によっては、ケーキなどのお菓子類をもらえることもあるようですよ♪
フードバンクを利用できる人は?
生活困窮者、低所得者、貧困世帯の方。
条件は団体により異なりますが、児童扶養手当をもらっていれば利用できる可能性が高いです。
運営団体によっては、対個人ではなく、施設のみを対象にしている場合があります。詳しくは、後述する「全国のフードバンク一覧」をご確認ください。
いつ、どうやってもらえるの?
配給している日時は運営団体により異なります。配給方法もそれぞれで異なります。各団体のホームページまたは電話で確認してください。
全国のフードバンク一覧
ここからは、全国へ宅配サービスをしてくれる団体と地域密着型の団体を紹介していきます。
全国へ配送してくれる団体
日本もったいない食品センター
オンラインによる無償配布と店舗での販売をおこなっています。応募フォームに記入後、全国へ発送してくれるとのこと。店舗での販売は、東京・大阪・高知・兵庫です。
地域別のフードバンク団体
団体によっては、食糧支援以外にも子ども食堂や学習支援、子育てサポートなど、ひとり親家庭にとってはとってもありがたいイベントも開催しています。「夜ごはんは子どもだけで食べている」「塾に行かせるお金が無い」という方もぜひお住いの地域をチェックしてみて下さいね。
セカンドハーベスト(Second Harvest)
東京都 神奈川県 埼玉県
「すでに収穫された畑から二度目の収穫をする」
缶詰やパン、調味料などを配布。ひとり親世帯で児童扶養手当を受けていれば、年6回受け取り可能。ケーキなどの贅沢な嗜好品も少し混じっている可能性あり。詳細はこちら。
福岡県 FOODBANK FUKUOKA
福岡県市内にある「自立相談支援機関」「社気福祉協議会」「地域包括支援センター」へ支援依頼の相談をすると、団体を通じて支援してもらえる。受け取り方法はこちら。
福岡県 フードバンク北九州ライフアゲイン
「フードロス」の環境問題×子育て家庭への福祉活動
月に1回、無償で食料品を受け取ることができる。また、子ども食堂を運営し、学習支援なども行っています。
当サイトで掲載している団体はごく一部です。もしも近隣の団体が見つからない場合は、お住いの役所に相談してみると教えてもらえますよ。