なぜ、こんなに「格差」があるの?

頑張っても頑張っても、なかなか変わらない生活。周りと比べて「どうして私だけ…」なんて、感じることもあるかもしれません。

私たちひとり親家庭にとって、日々の生活はまさにサバイバルではないでしょうか。

食費や教育費、将来への不安…考えることは山積みです。どうやったら、この状況から抜け出せるのかと。そもそも、なぜ、こんなに「格差」があるんだろうか?

じつは、その答えは「余剰」と「環境」にありました。私たちを取り巻く「格差」の正体と、それを生み出す「余剰」について、一緒に考えていきたいと思います。

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「格差」「貧困」は自己責任?

世の中には、残念ながら大きな格差が存在します。豊かな人と、そうでない人。その違いは、本当に個人の能力や努力だけなのでしょうか?

「お金持ちは賢くて、貧乏な人は怠け者」。あるいは、「貧乏な人は心が優しく、お金持ちはズル賢い」。そんな単純な決めつけが、残念ながら今も根強く残っています。

でも、現実はそう単純ではありません。

人は、つい自分の立場を正当化しがちです。「自分は良い人間、相手は悪い人間」と。

でも、最近の研究では、私たちが「自由意志」(自ら選択した)だと思っている選択も、過去の経験や遺伝的な要因に大きく影響されていることがわかってきました。

つまり、貧困や格差は、自己責任だけでは語れないのです。

では、この『格差』は、一体どこから生まれるのでしょう?

格差の原因は環境にあり

格差が生まれる背景は、環境にあります。

家族構成や社会の変化で、必要な資源(人・物・情報)が足りなくなると、格差は生まれます。

「余剰」が生まれやすい環境にいれば、余裕もつくりやすい。もっている余裕で生産、蓄積、技術の習得がスムーズだからです。しかし、そうでない環境では、余剰(余裕)をつくることは本当に大変です。

ゼロから全てを創り出す環境と、既に存在するものを活用できる環境。その差は、あまりにも明白です。

つまり、格差は個人の能力や性格ではなく、「余剰」を生み出しやすい環境にいるかどうかで決まるのです。

余剰をちくせきする

余剰が生み出しやすい環境では、富や権力がどんどん集まってきます。まるで、東京や大阪のような大都市のように。人、物、情報…より良い選択肢があふれ、余剰が蓄積されていきます。

でも、そうではない場所では余剰は蓄積されにくいのです。

内陸や山の上、寒い、暑い…そんな厳しい環境では、なかなか経済活動も活発になりません。人であっても同じ用に、過酷な状況に入れば、ストレスが集中し、心も体もうまく機能しなくなります。機能不全に陥ると、たとえ情報があってもうまく活用したり行動できなくなり、さらに資源が不足していきます。

格差は、環境がそうさせるのです。優劣ではありません。

余剰をふくらませる

余剰が増える中で、人類は文字を発明しました。これは、大きな転換点だったと言えるでしょう。

それは、文字は記録を可能にしたからです。記録したことで、全体が把握でき、どこにムダがあるのか、次に何をすべきかがわかるようになったからです。

あつめた余剰を記録し、管理する。それが、さらなる富を生み出す秘訣だったのです。

ですから、どれだけ余剰があっても、家計簿をつけない人は、どんぶり勘定で、実は「貧乏」である場合が少なくありません。

逆に、余剰が少ない人でも、入ってきたお金、出ていったお金をきちんと記録し、管理する人は、どんなに余剰が少なかった(低収入であった)としても、余剰を増やし、多くの余剰を持っていることが少なくありません。

大変地味で、おろそかにされやすい、余剰の記録、簿記、家計簿は、余剰を増やすうえで極めて重要だったのです。

格差の根本は、人、物、情報…「余剰」を蓄積し、管理できる環境があるかどうかです。それが、余剰を膨らませることに繋がります。

貧困から抜け出すために

貧困から抜け出すために大切なことは、いかに「余剰」をつくり出せるか、そして管理実行し、膨らませていくしかありません。

頼れる人がいなくて、孤独に頑張っているママやパパ。本当に、お疲れ様です。サポートのある家庭との差を感じて、辛い時もあるでしょう。

でも、辛く厳しい状況を続けるのは限界があります。少しずつでもいい。「余剰」を作り、育てていきましょう。きっと、心が軽くなっていくはずです。

このブログでは、最小の努力で最大の「余剰」を生み出すための、先人たちの「知恵」と「工夫」を紹介します。一緒に頑張りましょう!

この記事は、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ヤニス・バルファキス著)をもとにまとめました。

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